「表現する」ことを指導する Part6

今日は(6)間について考えてみます。

次回の(7)呼吸と合わせて、とても奥深く、人それぞれ考え方や感じ方が大きく違う個性が出やすいテーマだと思いますので、ほんの触りだけになりますが、ご興味ありましたら、読んでいただけると嬉しいです。

では、さっそくですが、2つの例を比べてみます。

A.沈み込んだ後、少し時間を取って、ゆっくりゆっくり起き上がる→「間」をとっている

B.沈み込んだ後、直ぐ勢いよく起き上がる→「間」をとっていない

Aは沈み込んでいる間、何をしていたでしょう?

寝ていた?ダラダラしていた?泣いていた?笑っていた?悩んでいた?いじけていた?鼻くそほじくっていた?(笑)

正解はありませんが(すべてが正解とも言えますが)、「間」を取ることによってお客さんにこういったことを”考え”たり”感じ”たりしてもらうことができるんです!

逆にBは、「間」を取らないことによって、Aのような意味深さがないことをアピールできます。(又は、動きの強弱の観点で、素早く起き上がる「快活さ」や「かっこよさ」を表したいのかもしれません。)

この「間」の長さですが、とても主観的なもので、好みの影響がとても大きいです。

ダンサーはそれぞれ”自分にとっての”正解”を探しますが、それが本番も効果的に機能するかはまた別の話しです。お客さんの受け取り方の影響はとても大きく、ある人が素敵だと思っても、違う人にとっては「マジで眠い。早く動いて」になることもあります(笑)

誰もが日々「間」を使いながら生活しています。

例えば、朝、友達に「おはよう」と挨拶したときに、少し遅れて「おはよう」と返ってきたら、「あれ?しんどいんかな?」とか思いませんか?でも、もしかしたら、その友達にとってはそれが通常運転かもしれません。

ダンサーもお客さんもそれぞれにあらゆる感情に対して適した(心地よい)間を持っていると思いますが、それは各々少しずつ違うので、こういったギャップが生じることもあります。

また、その日のダンサー自身の調子、お客さんや客席の雰囲気によっても効果は変わってきますので、「間」はダンサーにとって1番お客さんとのつながりを感じられるものかもしれません。

さて、次回はやっと最後の「呼吸」です。今回の「間」も一緒に考えていきますので、ぜひお付き合いいただけますとありがたいです。

小東 美菜子

小東 美菜子

Harmonie Jazz Dance Studio代表。STTOT PILATES®認定インストラクター。2014年から京都市内を中心に、ジャズ・ダンス、バレエ、モダン・ダンスを指導。2021年からピラティスも指導する。2023年4月亀岡市でHarmonie Jazz Dance Studio開校。2023年第五回JMM亀岡ジャズ・ストリート ダンス構成アドバイザー。

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