「表現する」ことを指導する Part4

今日は、(3)リズムの取り方です。

リズムの取り方がどのように表現に関わっているかについて考えてみます。

ダンサーにとって、リズムは“取る“というより”遊ぶ“の方が近いのかもしれません。とても感覚的に曲を聞いていて、「1 2 3 4 〜」と数えながら踊る人はかなりレアだと思います。

まず、リズムが人々に与えるイメージを考えてみます。

例えば、テンポの速い曲を聞いたときどんなイメージが湧きそうでしょうか?

「元気」「楽しい」「激しい」等をイメージしやすいのではないでしょうか?

逆に、ゆっくりの曲ですと、「上品」「のんびり」「悲しい」等をイメージする方が多いんじゃないかと思います。

(※メロディーや歌詞にもよりますが。)

もう一つ考えてみます!

学校の先生が「これテストに出します」という内容を伝えるとき、速く喋りますか?ゆっくりですか?

先生はゆっくり喋ってくれはりますよね。

そして、最後にもう一つ。

リズムの変化がない曲を聞いたら…

眠くなりませんか?又は安心しませんか?

逆にリズミカルな曲は目が冴えますよね!ランニングとかのときに良さそうです。

こんな感じで、リズムは

・人々が抱くイメージを作る

・重要だと認識させる

・リラクゼーション又は活気付ける

等の効果があります。

では、これを参考に…

ダンサーや振付師は同じ曲でも、ちょくちょくリズムの取り方を変えます。

速く踊ってカッコよく見せることもありますし、ゆっくり踊って伸びやかさを見せることもあります。

カウント1:お客さんを見る

カウント3:後ろを向く

という振付で、

A.カウント2をゆっくり振り向く時間に使う

B.カウント2のギリギリ最後までお客さんを見て、カウント3のギリギリ手前で素早く振り向く

Aは、元気がないのかも。

Bは、お客さんに何か伝えたいことがありそう。

こんなふうに想像することができます!(違う受け取り方ももちろんあります。)

こんなことをもっと複雑にあっちこっちでやって、ダンサーは自分が表現したいものを形にしていきます。

冒頭に「ダンサーはリズムで遊ぶ」と書かせてもらいました。今回の内容をダンサーが読むと、「言われてみればそうかもしれんけど、そこまで深く考えてないんよな~」と思われることが多いと思います。色々なタイプの方がいはるとおもいますが、自分で踊りながら、一番しっくりきたり一番カッコよく見えたり、何なら一番踊りやすいものを採用するケースも多々あると思います。

しかし、その根源にはダンサーはがそのシーンで見せたい何かしらの情景があって、それをよりストレートに伝えられそうなものを無意識に選んでいるのだと思います。

では、次回は(4)音の強弱と(5)動きの強弱、について合わせて書かせてもらいます。

お読みいただけますと嬉しいです。

小東 美菜子

小東 美菜子

Harmonie Jazz Dance Studio代表。STTOT PILATES®認定インストラクター。2014年から京都市内を中心に、ジャズ・ダンス、バレエ、モダン・ダンスを指導。2021年からピラティスも指導する。2023年4月亀岡市でHarmonie Jazz Dance Studio開校。2023年第五回JMM亀岡ジャズ・ストリート ダンス構成アドバイザー。

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