「表現する」ことを指導する Part3

前回に引き続き、ダンサーが表現のときに使用するツールについて考えてみます。

是非お読みください!

今日は、(2)顔の表情(と目線)についてです。

とても簡単に言いますと、楽しい踊りのときは笑い、悲しい踊りのときは泣くということになります。

お客さんはダンサーの顔の表情から、作品のストーリーやテーマを読み取ってくださいます。

ここで、インスタでは書かなかった目線について考えてみようと思います。

しっかりと何かを見ている人と、目線が定まらない人、どちらが意志の強い人に見えますか?

おそらくほとんどの方が「しっかり何かを見ている人」とお考えになったのではないでしょうか?

では、もう一つ!

何か手元にあるものを見て泣いている人と、目線が定まらないまま泣いている人、同じ感情でしょうか?少し違うと思いませんか?

私の意見を述べさせてもらうと、目が定まっている人は、何か特定の出来事に大きなショックを受けていて、それに対する執着が強い状態かなと思います。かなりのエネルギーを感じますし、目線が鋭い場合は悲しみに怒りも加わっているかもしれません。

一方で、目線が定まらずに泣いている人は「放心状態」なのかなと思います。悲しい出来事にショックを受けている時間が長いとか、長い間悲しんでいてもう疲れ果ててしまったとか。

このように考えてみると、目線は些細なポイントのようにも感じますが、キャラクターや個性を強調したり、感情の複雑な面まで伝えられる、とても表現力豊かな体の部位と言えますね。

さて、話を戻しまして、ダンサーは踊るとき自然と顔の表情が出てくるのでしょうか?そういう人もいますが、結構皆さん苦労するものです。

そんなときダンサーがするべきことは、まず「作品をしっかり理解すること!!」になります。

これがですねぇ…とっても難しいです。

ダンサーは「何でここに回転が入ってるのかな?」とか、「ここで手を出す意味は?」とか考えます。

(もしこの作業が不十分だと、”表情が一辺倒”になったり、”表現を作りすぎ”て、お客さんに違和感を与えてしまうこともあります。)

そして、作品を理解すると徐々に「こんなふうに表現したい」というのが出てきます。その自分の意志が出てくると自然と顔の表情も付いてくるようになります。

が、しかし、ここで最大の難所!!

「恥ずかしい」!!

そうなんですよね…表情作るのってすごく恥ずかしいんですよね。何でなんでしょうね?

いつも無表情で生きている人なんていないのに。

もう自分じゃなくなったと思うしかない(?)

この辺りは一度メンタルの専門家にご意見を伺ってみたいです。

今まで私が、生徒さんが変わる瞬間を見たのは、本番直前練習(最後の一回)と本番の舞台で80%でした。特に、本番で変わる人は多い気がします。「100回の練習より1度の本番」という言葉も聞いたことがあります。

“人に見られる”を強く意識すると、「表現したい」という気持ちが強くなって表にあふれ出るのかもしれませんね。

私事で恐縮ですが、私が舞台に乗ったら“変われる“と初めて思えたのは小学校六年生の時でした。ただただシンプルに、「見ている人が遠くにいるから、もう好きなようにやっちゃえー」と思ったものです(笑)

単純…

では、次回は(3)リズムの取り方についてです。

ぜひお付き合いお願いいたします。

小東 美菜子

小東 美菜子

Harmonie Jazz Dance Studio代表。STTOT PILATES®認定インストラクター。2014年から京都市内を中心に、ジャズ・ダンス、バレエ、モダン・ダンスを指導。2021年からピラティスも指導する。2023年4月亀岡市でHarmonie Jazz Dance Studio開校。2023年第五回JMM亀岡ジャズ・ストリート ダンス構成アドバイザー。

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